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4/03/2014

Tokyo Hackerspaceを見学。

新しいものを創っていくうえで、自分で手を動かして、実際に手に取ってみたり、使ってみたりできるものをとりあえず作ってみることができる、というのはすごく大事なことだと思い始めています。デザイン思考でも、創られたアイディアとコンセプトを、プロトタイピングを経てテストすることの重要性は触れられていますし、リーンスタートアップとかスタートスモールとかいう概念も、言いたいことは本質的に同じで、そういうことなんじゃないかと。

実際目に見える形になるからこそ、使ってもらってフィードバックを得たり、作っていくうえで気を付けなければならないことに気付いたりすることができます。チームで議論する時も、より具体的にイメージしやすいものになる効果がありそうですし、作ってみてちょっとイメージが違うと、すぐにそれを修正してみたくなっちゃう、みたいな、モチベーション的なところにも影響しそう。ソフトウェアにせよハードウェア(機械でなくても、家具とか衣服とか道具とか)にせよ、或は目に見えないサービスにせよ、それは同じであるような気がします。

エンジニアリングとかデザインのバックグラウンドがない人の大半は、モノを作って試してみる機会って人生の中ではそうそうありません。ハンダが何かすらわからない人だって多いのではないでしょうか。私は幸い前職でメーカーにいましたので、辛うじてハンダのことは知っていますが。。。

自分の手と頭を使いながら形にするスキル。それをちょっとでも身につけることができる場、機会というのは、必要なんだろうなーと思っています。

余談ですが、アメリカの人々って結構DIY精神が旺盛で、家の壁を塗ったりとか庭の柵を創ったりとか車のちょっとした修理とか、「文系」な人でもできる人が結構いたりします。また、Home Depot(http://www.homedepot.com/とかLowe’s(http://www.lowes.com/みたいな、DIY用品専門のめっちゃでかいホームセンターがどこの町にもあります。そういう習慣とか環境というのは、新しいものを自分で創る、自分でよりよいものにするのだ、というマインドセットに影響を与えているのかも知れません。

ということで、乃木坂にある、Tokyo Hackerspace(http://www.tokyohackerspace.org/Open Meetingの見学に行ってきました。先週FabCafe(http://tokyo.fabcafe.com/のミートアップで知り合ったEmery Premeaux氏が中心となって運営しているシェアスペースみたいなものです。Emeryは、もともとはアメリカで電気系のエンジニアをしていて、今は日本で英語をプライベートで教えながら、Arduinoの本を書いたりHackerspaceの運営をしたり、自分でモノを設計したり、といったことをしてるそうです。
  
毎週火曜日と水曜日の19:30からOpen Meetingを開いていて、メンバーでない人も見学することができます。火曜は英語、水曜は日本語。しかし昨日は訪問者以外に日本人は1名しかおらず、ミーティングも特にされませんでした。なので、どんなことやってる人がいるのか、とかMaker Campってどんなことするのか、とかを聞いてました。

写真をとってくるのを忘れましたが、ここに写真が

広さとしては10畳ぐらいで、10人ぐらい入るともう満杯って感じです。工具とか部品とかが壁一面に所狭しと並んでいました。いわゆる「アメリカのガレージ」の雰囲気満載のスペースで、実際立上メンバーの家のガレージを借りてるみたいです。月5000円を払うとメンバーになれて、このスペースを24時間365日好きな時に使えるようになります。常駐のメンバーはおらず、火曜水曜にはできる限り集まる、ぐらいの感じです。

それぞれのメンバーは思い思いのプロジェクト(モノの自作とか改良とか)に取り組んでいます。モノづくりのスキルや知識なしに完全なビギナーから始めた人もいますが、ほとんどは元々何か作れるスキルがある人達の様子。ただ、月に1回ぐらいの頻度でオープンなワークショップ(参加費2000円?)が開かれていて、工具の使い方やらArduinoのプログラミングやらを教えるようなこともしてるみたいです。開催の頻度は増やすそうです。

入門者向けのキット(音が出る機械とか光が出る機械とか。1000円~2000円程度)があって、それを買えばLEDとか回路基板をハンダ付けするとかして、簡単なものは作れたりします。周りのメンバーに教わりながら。

何かイノベーティブなものを!みたいなバリバリした感じではなくて、モノをいじりたい人達が、お互いに学び合ったり議論したりしながら自分のやりたい作業をする、サークルみたいな感じなのですが、共創プラットフォームの生態系の中にこういうものを入れてみるのは面白いだろうなー、と思いました。