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5/08/2014

健全なエコシステムには競争があるはず。

競争です。協創ではありません。

昨日、知り合いからこの記事をシェアされました。(朝日新聞デジタル:ザ・テクノロジー:1『ロボットバブルとグーグル』)

Googleが東大発のロボットベンチャーSchaftを買収したというニュースはもう色々なところで触れられていて、「なんで日本の企業ではなくて、いつもGoogleとかAppleとかAmazonばっかりなんだ?!」とか、「なんでロボット技術の研究は日本もヒケをとらないのに、事業化して儲けるのはアメリカなんだ?!」とかいう議論があったりしますね。


まぁそれはそれで面白いんですが、引用した記事でもう一つ気になるのは、DARPA(Defense Advanced Research Projects Agency)が主催したというコンテストです。日本にはこういうのないの??と。

DARPAというのは、先端科学技術を軍事技術に転用する為の研究をする機関で、インターネットやGPS の原型を開発したそうです。研究機関として存在はしますが、研究施設はなく、プロジェクトマネジャーとなる研究者が自らの企業や研究室で研究をしている、というのも興味深い特徴です。

今回Googleに買収された企業は、このDARPAが主催した "DARPA Robotics Challenge(DRC)" というコンテストです。元々福島第一原発の事故をきっかけに、災害時に人間が入れないような場所でタスクがこなせるロボットを、ということで立ち上げられたコンテストだそうです。

このDRCに限らず、欧米では技術を競い合うようなコンテストが結構沢山あったりします。魅力的なベネフィットを提供した上で技術やアイディアを披露し合って、切磋琢磨するような仕掛けを設けることで、技術者は自らをアピールする機会になるし(お金ももらえるかも)、技術や事業がほしいところはそれを担える人を発掘する機会になっていて、関係者を巻き込む為のコミュニケーションデザインがうまいんだろうなと思います。

さて、日本にはそういう機会はあるのでしょうか。。。?
そのあたりの先端にいそうな産総研とか理研のイベント情報を見てみると。。。

ありませんね。
どうしたことでしょう。

Googleで「ロボット 技術 コンテスト」で検索しました。
トップに出てきたのは「創造アイディアロボットコンテスト全国中学生大会」。

ふむ。もっとレベルの高そうなものは?
コンテストではなくて、大会のほうがいいのでしょうか。

ありました。「かわさきロボット競技大会」。優勝賞金100万円。
なんか協賛企業のリストがあんまりときめかなさそうですが。

うーん。

なんか課題の設定もスゴイ感が伝わってこないというか。DRCと比べると大きく見劣り。。。半ば「マニアの集まり」というか「趣味の延長」みたいな、「一部のもの好きな人達の集まり」的な空気感があるような。課題の設定がヘタクソなんですかね。何とかできないものでしょうか。

DRCでは4億円の開発費用が出るということですが、そこまででなくても、ちゃんと技術を持っている人達が必要とするものをあげなくては。。。加えて、資金も必要なんですが、単にギークでオタクな人達みたいな見方ではなくて、道を究めて世の中にこんな価値を届けられる匠なんです、みたいな日本人好きする見せ方をすると、いろんな関心を呼びやすいのでは?

集団の力を利用して新しい価値を作っていく為の生態系には、競争は不可欠だと思います。実際の生態系に競争と淘汰があるように。そして、勝ち抜いた者にはちゃんと勝ち抜いただけのベネフィットが必要です。それも実際の生態系と同じです。

もっとうまくやって、いろんな分野でコンテスト開催すると、日本にいろんな国の知が集まる、みたいな感じにできそうな気がする。それはロボットとかみたいな、エンジニアリングの分野に限らず、です。

コンテストの情報サイト「登竜門」を見つけました。
クリエイティブ系が多いのかな。少し見てみよう。