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7/22/2013

研究命題:「イノベーションを促す仕組みのデザインと運用」(1-1.)

案の定自分の考えをまとめていくのに苦労しており、時間がたってしまいました。

以下の目次の0.が前回でしたので、今回は1-1.について述べます。
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0. 命題と仮説、その他諸々
1. なぜ「イノベーション」なのか?
 1-1. 「イノベーション」について
 1-2. なぜ「イノベーション」なのか?
2. なぜ「仕組み」なのか?
 2-1. 「仕組み」の定義
 2-2. なぜ「仕組み」なのか?
3. 研究計画概要
 3-1. 人間の学習・適応モデル
 3-2. 組織の適応モデル
 3-3. 研究対象及び実践
4. 卒業後について
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1. なぜイノベーションなのか?
1-1. 「イノベーション」について

まず簡単に「イノベーション」に関して私の認識を提示しておきたいと思います。但し、イノベーション論に関する勉強を網羅的に行ってきた訳ではないので、今後の研究の中で変化していく可能性はかなり高いですし、大上段に構えすぎたせいで案の定続きを書くのにてこずったため、少しカジュアルにいきます。恐らく当たり前のことを書くだけになると思いますが。。。


最終的にやりたいことは「イノベーションをたくさん生み出せる仕組みのデザインと導入」なのですが、「イノベーション」というのは言葉のイメージだけが独り歩きしてしまっていて、それを捉える人の立場によって解釈に幅が出すぎてしまっている印象があります。

同じ「イノベーション」を語っていても、たとえば政治家とメーカー経営者と起業家とマスコミとでは意図しているものに違いがありそうです。ということは、「イノベーションを生み出しやすい仕組み」に関する見解にもだいぶ差が出ると予想されます。日本ではイノベーションというと「技術革新」という意味で捉えられることがかなり多いのではないかと思いますが、私が捉えたいイノベーションはもう少し広いイメージがあります。ここではどういう風に自分自身で捉えているかを記述してみることにします。


イノベーションを定義するにはいくつかの要素を考える必要が出てくると思われますが、まずは今までになかったものであるという「新しさ」というのは大事であろうと思います。この場合の「新しさ」は、そのイノベーションを使用する人達にとっての「新しさ」であり、既存の技術を他分野で応用して新しい成果を生み出すといったケースや、日本では陳腐化したものを他の国で使用してみたらものすごいヒットになったといったようなケースも(あるなら)当てはまることになります。

また上記の記載の中に一部その要素が現れていますが、その新しさは単に「今までになかった」というだけではイノベーションとしては評価されず、誰かしらのニーズを満たすもの、或は何らかの目的を果たすものでなくてはならないという意味で、そのイノベーションの適用対象にとっての合目的性も一つの要素になると思われます。

さらにもう一点重要なのは、そのソリューションが「サプライズ」をもたらすことではないでしょうか。「どうせダメだろうと諦めていた」「そういうものがあればいいと考えたことすらなかった」「そういうやり方があるとは知らなかった」という状態を、考え方や組み合わせ方によってひっくり返してしまうようなもの。それがもたらされる技術やサービス、プロセスがもたらされた時に、価値の大きい「イノベーション」として受け入れられるようになるのではないかと思っています。

「新しい」「サプライジングな」「ソリューション」であること。これが私が作り出したいイノベーションのコアなイメージです。


但し上記の中で注意しなければならないのは、イノベーションとはそれを生み出したい側の主観ではなくそれを使う側の主観で評価されるということです。いくら開発側が「この新しい製品を使えば生活がめちゃめちゃ便利になる!」と思って作っても、使用側が誰一人としてそれを「新しくて便利」と思わなければそれはイノベーションとして成立はしません。「新しいけど便利にはならないね」でも、「確かに便利だよね、まぁもうあるけどね」でもダメです。     

そういった面から考えれば、定義としては「新しくサプライジングなソリューションとして受け入れてもらえるもの」とする方が、もう少し適切にイメージを伝えられるものになるかもしれません。


これが、ひとまず「で、イノベーションって何だっけ?」と問われた場合に私が答えるであろう内容です。

それでは、「なんでそれやりたいの?」という部分について、次回まとめることと致します。

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