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7/03/2013

研究命題:「イノベーションを促す仕組みのデザインと運用」(1)というか(0)

慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科より修士課程の合格通知を戴き、順調にいけば9月より留学生用プログラムに入学して2年間の研究を行うことになりました。会社を辞めたり心配掛けたりと自分の勝手で色々な方に要らぬ御迷惑、御手間を掛けてきましたが、御蔭様で無事スタートラインに立つことができそうです。

日々の雑感をものすごーい不定期に記載してきた当ブログに、関連の考察やつぶやきなどをもう少し頻度高くポストすることを通じて、周りの皆様にちょっとずつ御恩を返していくことができればと考えています。(勿論、卒業後にもっと大きな形で返さなければならないのですが)


まず手始めに、研究を始めるにあたり、現時点での問題意識や研究の概要に関してまとめていこうと思います。長くなるので、何回かに分けて記載することになります。今のところの構成は以下。
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0. 命題と仮説、その他諸々
1. なぜ「イノベーション」なのか?
 1-1. 「イノベーション」の定義
 1-2. なぜ「イノベーション」なのか?
2. なぜ「仕組み」なのか?
 2-1. 「仕組み」の定義
 2-2. なぜ「仕組み」なのか?
3. 研究計画概要
 3-1. 人間の学習・適応モデル
 3-2. 社会システムの適応モデル
 3-3. 研究対象及び実践
4. 卒業後について
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これだけですんごい大作になりそうです。ちゃんと終わらせられるのでしょうか。。。今から不安になってきましたが、頑張ります。尻すぼみになるかもしれ。。。ならないように頑張ります。

では、早速参ると致しましょう。


0. 命題と仮説、その他諸々
研究命題は大きく出ます。ズバリ、「イノベーションは、どういう仕組みを作ったら促進されるのだろうか?」です(ポストのタイトルでネタバレしてます)。

そんな研究は世界中の経営学者とか経済学者とか社会学者とかが何十年も前から研究をしている訳で、今更私ごときが参入するような分野ではないのではないか、という御指摘はもっともで御座いますが。。。前々から、うまくいっていない人間の集団をうまくいかせる為に、どういう仕組みを作ればいいのか、というのが興味の対象でして、どういうところに行ってもそこにばかり目が行くので、突き詰めて考えてみたところ上記のような問いになってしまいました。ひとまず、(私の不勉強もあり)これまで実践に適用可能なレベルで満足のいくようなものに出会ってこなかったので、ちゃんと勉強すると共に理論を実践につなぐ為のスキルまで身に着けて社会に戻ってきたいなァと思っています。(学問の道を突き進む、ということは全く考えていません。)

現在ざっくり持っている仮説やなんとなく考えていることは以下です。
 ・イノベーションは人間が組織的に起こす方がいろいろできて面白い
 ・イノベーションの起こる仕組み、条件の理解には、人間の学習・適応プロセスの理解が必要
 ・人間の行動を変える為の仕組みを、ITシステム、制度、物理環境などを含めて統合的に設計・実装すれば、組織全体のアウトプットの変化をある程度制御できるはず
 ・仕組み設計の前提となる個々の集団の状況は同じ集団でも時を経れば変わっていく為、ソリューションは一回性のもので、ある種アートに近い
 ・個々に異なるメンタルモデルを持つ人間同士の相互作用として組織的なイノベーションを考えると、そのプロセスは複雑すぎて、汎用的なモデルを作ることは(恐らくすぐには)無理
 ・一方で、同じ人間である以上基本的な認知プロセスはある程度一般化できるものがあるはずであると共に、影響の大きなパラメータはある程度の数に絞ることができるはず
 ・上記ができれば、問題状況の認知、原因分析やソリューション実装前のシミュレーション、評価基準の設定などの為の基本的なモデリングはある程度可能なはず(エージェントベースモデリング?)
 ・数種類の構成要素による複雑な環境適応システムであるという点で、脳や細胞の動く原理は社会システムの原理を考える上でとても示唆的なものになるはず
 ・とりあえず具体的に理論を打ち立てられないとしても、研究の過程で数々のケースに触れて分析することで、そういった分野のエキスパートとして必要なカンみたいなものは身につくはず

恐らく、ちょっとエッジの効いた切り口の見せ方としては、人間の学習・適応プロセスを基に集団(社会システム)の挙動とアウトプットに関する研究を行いたい、ということになるのではないかと思います。

と、長くなってきましたので続きは次回と致しましょう。
異論反論疑問、参考情報など戴けると幸いです。
ぜひぜひよろしくお願いします。

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